日本一美味しいお米「にこまる」はなぜ特別最高金賞を受賞できたのか。米のプロに聞く、美味しいお米づくりの秘密とは。「宮内商店」#ふるさと納税
公式noteをご覧の皆さん、はじめまして!
四万十町ふるさと納税担当です。
突然ですが、皆さんは「仁井⽥⽶」というお⽶を聞いた事はありますか︖
「仁井⽥⽶」とは、四万⼗町窪川地域(仁井⽥郷)で収穫されたお⽶の総称です。
⽇本でお⽶の⽣産地として有名なのは、中越地⽅や東北地⽅になると思います。
⾼知県というと、南国のイメージもありますが、実は四万⼗町はその特殊な地形から県内、いや四国でも有数の⽶どころとなっています。
「仁井⽥⽶」と⼀⼝に⾔っても複数の品種がありますが、静岡県沼津市で開催された第12回お⽶⽇本⼀コンテストinしずおかにて最⾼位である特別最⾼⾦賞を受賞した「にこまる」という品種もその⼀つです。
今回は、四万⼗町で「にこまる」を⽣産・販売する有限会社宮内商店の宮内重延会⻑のもとへ取材に訪いました︕
〜本⽇はよろしくお願いします。
まず、宮内会⻑のこれまでの歩みについて教えてください。
私は農家の息⼦として育ち、アメリカにも農業研修に⾏ってきた経験がありました。
四万⼗町に帰ってきてからも地域をどうやって盛り上げるかがいつも頭の中にありました。
それで私⾃⾝40歳ぐらいのときに、ゆういんぐ四万⼗(四万⼗町の観光物産センター)を四万⼗川に来るお客さんに気持ちよく⽴ち寄って欲しいと思って作りました。
これは私が今まで経験したことのない事業となり、全国だけでなく海外からも観光客が訪れ、多くの⼈の受け⼊れ施設として成功しました。
それまでもいろいろな事業をしてきましたが、ゆういんぐ四万⼗を経営したことで顧客が求めるニーズなども把握し経営のノウハウを知ることができました。
お客さんが店を作ってくれた、そしてその要望に応えられるようなお店を作れたのではないかなと思っています。
~そこから宮内商店創業につながってくるということでしょうか?
宮内会長:
宮内商店は今年創業52年を迎えます。
地域の特産であるお米の生産・販売に取り組んだのは30年前。
農家の長男として、おいしい仁井田米を消費者に提供しようと思ったのがきっかけです。
仁井⽥⽶は美味しいと⾔われるが、なぜ美味しいかがなかなか表現できない。
海抜何mだからとか、霧がかかるからとか、⽔がいいとかそんなことより、まず全国のコンクールに出して仁井⽥⽶がどれだけ評価されるのかを考えました。
そこで⾷味を測定した結果、四国、九州、中国地⽅で作られる⽶の品種の中で上位3品種に⼊りました。
いきなり全国区かとも考えましたが、⿂沼産コシヒカリには数値が遠く及ばず、どうしたら近づけるかを考え⿂沼産コシヒカリを⽬標にすることにしました。
今までの仁井⽥⽶のメインはヒノヒカリでしたが、ヒノヒカリは⾼温障害があったり、⾷味でも遠く及ばないと考えているとき、にこまるという品種が開発されました。
⾷味の数値も⾼く、これはいけるのではと考え取り⼊れることにしました。
~当時はヒノヒカリと十和錦が主流でしたね。
これから高知県産のにこまるの快進撃が始まるのですね。
宮内会長:
コンクールで出会った協会の会⻑に『今⽇本で、⼀番の⽶作り名⼈は誰ですか︖』と尋ねたところ、遠藤五⼀⽒をご紹介いただき早速その年の12月に講師として四万⼗町へお呼びしました。
そこで伺ったのは美味しいお⽶は化学肥料ではできないということ。
四万十川流域という自然条件もおいしい米づくりに欠くことはできませんが、育成品種と“肥料設計”がとても重要であることを教えていただきました。
しかし、個⼈だけでおいしいお⽶を作っても意味がありません。
現在の提携農家は町内約50⼾。当時は100戸を超えていました。
栽培⾯積はずっと変わらず120ha(東京ドーム25.5個分)程です。
これだけ生産者が集まれば勝負ができると考え、早速有機肥料だけの肥料設計を作り、翌春の作付から一気に変更しました。
そうしたら全国⾷味協会のコンテストで4,000⼈ぐらいの農家の中で40位に2⼈が⼊り、そのうちの1⼈が⾦賞をとりました。
2年⽬も3年⽬も同じような結果となり、おいしいお⽶で全国区になりました。
その後も遠藤⽒には毎年来ていただいて講師をお願いしています。
3年⽬に静岡県沼津市で開催された第12回お⽶⽇本⼀コンテストinしずおかに出品しました。
これは、620⼈ぐらいが出品する中で順調に勝ち抜き、最終審査は15⼈の審査員が⾏いましたが、審査員が私の顔をチラチラ⾒始めて、『これはひょっとしたら…』と考えていたら特別最⾼⾦賞、⽇本⼀を受賞する事ができました。
~快挙ですね…。
宮内会長:
このやり⽅で間違っていないという⾃信になりました。
そこから現在に⾄るまで、にこまると⾹り⽶「⼗和」をブレンドした同じ作り⽅、同じ味、同じ袋で売っています。
それは飲⾷店をやってきた経験から味を変えてはいけないと考えていて、どこで⾷べても値段、味が変わらないお⽶を作るというポリシーを持っているから。
変わったことはこれまで“香り米”と表記していたものを“十和”と正式に品種名を打ち出したこと。
突然変異で生まれた十和錦は今まで品種登録ができませんでした。
何とか登録できないか考え、国立静岡大学の富田教授に相談。
2022年に静岡大学と発見者の上山チドリさん、そして宮内商店の三者の育成権者として“十和”の名前で品種登録されました。
広く全国の方にこの名前で憶えていただけると嬉しいです。
~自信をもって送り出せる「仁井田米」ですね。
全国の方へのアピールポイントはありますか?
宮内会長:
全国的に⾔えることは、いろいろな要因がある中でやっぱり四万⼗川という⾃然環境。⽔も豊富です。
ただ1番2番に来るのはやはりここまで計算してこだわり抜いた有機肥料設計や品種だと思います。
~「仁井田米」の販売から地域振興につながる思いを教えていただきたいです。
宮内会長:
私は地元を盛り上げる人を育てなければいけないと考えますし、プラスを発信したいと思っています。
人口減少も時代の流れだと思うし、今、頑張っている農家を応援して欲しいと思います。
~最後に今後の宮内商店の展望を教えてください。
宮内会長:
まず、ふるさと納税によりおかげさまで四万⼗町の⾃主財源の半分の寄付があります。
そのことについて皆さんにお礼を申し上げたいと思います。
宮内商店の今後としては、違った業態に⼿を出そうとは思っていません。
この四万⼗町に貢献できることをこれからも続けていきたいと思っています。
販売や加⼯、とにかく何かを作ることを続けていきたいと思います。
~長時間のインタビューありがとうございました!
インタビュー後、宮内商店の倉庫などを⾒学させていただき、宮内会⻑の想いを聞くことができました。
四万⼗町の⽶農家が作るおいしいお⽶をぜひ皆様に知っていただきたいです︕
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