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鍛冶職人を目指してものづくりで生きていく #移住者インタビュー

埼玉県出身で2022年11月に東京都から高知県四万十町に移住した岩崎嵩司(いわさきしゅうじ)さん。リュックひとつを抱えバイクと共に野宿しながら、大好きなものづくりがしたく、鍛冶屋さんを探していた。そんなとき、四万十町にある鍛冶屋『土佐打刃物黒鳥』と出会い、職人を目指して弟子入りを決意。鍛冶屋について、ゼロからのスタート。ものづくりへの熱い想いを持った岩崎さんが、“自分の手“で作りたいものとは?

移住のきっかけ

もともと製造業で電子系の会社に勤めていたという岩崎さん。10年間勤めて30歳目前になった頃、仕事に対して違和感があったという。

「自分の手を動かして物を作るのが好きで入った製造の会社なんですが、良い年になってくると、部下がつくようになってなかなか作業を自分の手でやらなくなってしまったんですよ。手で仕事がしたかったはずなのに、全然違うことやってんな。このままこれ一生続けるのかって思うと、つまんねえって思って仕事をやめたんですよ」

仕事を辞めて転職したとしても、同じことの繰り返しになってしまうのではないかと思い、“一生ものづくりができる仕事”は何かと考えていたところ、ふと鍛冶屋さんになりたいと思い立ったそう。

『土佐打刃物黒鳥』との出会い

鍛冶屋さんを探すため、リュックひとつを抱えバイクと共に野宿しながら、1ヶ月ほど全国各地を転々としていたと話す岩崎さん。

「山形とか、兵庫とか新潟とか福島とか…。行くたびに『何を打つ鍛冶屋になりたいの?』って聞かれるんですよ。でも、ずっと何が打ちたいのかわからなくて。」

そんな中、兵庫県の鍛冶屋さんから「兵庫まで来たんなら、土佐の方も行ってみたら?」と教えてもらったそう。兵庫まで来たし、ついでだから行ってみようと思い、バイクで兵庫県から高知県へとたどり着いた。

「自分が何を打ちたいのかわからないまま黒鳥に来たときに、すごい色々作ってるのを見て、ここでやらせてもらえないかなって思たんですよ」

弟子として受け入れてもらえないか、アポなしで突撃した岩崎さん。突然の申し出にも関わらず、弘資さん(黒鳥鍛造工場 六代目)は「ええよ」の二つ返事で受け入れてくれたという。

“自分の手”で作りたいものとは

鍛冶職人として、ゼロからのスタート。

苦労したことは何かと聞くと、「特にないんですよね。大変なこともあるけど、やりたいと思って来たので、とても楽しいです」と真っ直ぐな眼差しで話す岩崎さん。

「教えていただいた時にはどういうことを言っているのか理解できないことのほうが多いけど、自分がなんとなくできるようになってくると、こういうことを弘資さんは伝えてくれていたんだっていうのがわかったりするのが、学んでいく中で楽しいですね」

これからの展望についてお聞きすると、ひとつの目標を語ってくれました。 

「一人前になったら関東のほうで自分の鍛冶屋を構えたい。弘資さんに製品を見てもらった時に何も注意されなければ、やっとできるようになったのかなって思うんですけど、今はまだまだたくさんご指摘受けます。黒鳥って、包丁だけじゃなくて見たことない道具(鍬、斧、鎌とか名前のわからないような道具)もたくさんあるじゃないですか。そういうものも全部覚えないと“なんでもできる鍛冶屋”とは言えないので。独り立ちするまでなかなか時間がかかるなって、実感しています」 

今は休みの日でも職場に通うほど、刃物に打ち込む日々だとか。

「例えば鍬とか見ると、一般的な形で、用途も土を耕せればいいっていうようになっているけど、本当にニッチな用途で使いたいっていう時の道具は、やっぱりオーダーメイドで作るしかない。そういう注文に応えられるのって黒鳥ぐらいしかない。『こんなの作れんろうか?』って言われた時に『やってみますね』って言えるようになりたい」

自分の手で物を作りたいと熱く語る岩崎さんの手は鍛冶職人を感じさせる灰色に染まっていました。 

土佐打刃物黒鳥の詳細はこちら

 

岩崎さんも利用している住宅「クライガルテン四万十」

個性いっぱいの住人が集まる『クライガルテン四万十』!農園つきの宿泊施設(ラウベ)が全22区画、日帰り型農園が全16区画整備された施設で、移住した先で家庭菜園をやりたい方や、将来就農を考えている方におすすめです。 

高知県では四万十町で初めて整備され、都市と地域の交流を通じて、地域の活性化及び移住・定住の推進を図るために平成22年4月に開園しました。

現在、Aタイプ(単身用)2棟募集中です。(8月時点)クライガルテン四万十までお気軽にお問い合わせください。 

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